2つのミニ・ドラゴン 6
香港側は、97年まではあくまでも列車の運行管理は、イギリスおよび香港政庁の責任だと考えます。
乗客の将来の利便を考えて、いまのうちにスピードアップのための新エンジンも導入したいし、列車のカラーや、客室の設備も豪華にしたい・・・。
しかし97年以降、この列車の運転席に実際に座るのは中国政府です。
列車の売り渡し契約(中英共同宣言)では、そうなっています。
売却がすでに決まっているその車両(香港)について、現在の所有権者が次の所有権者の了解なしに、勝手にデザインや機能を変更できるでしょうか。
雛不協和音「三部曲」新空港計画について中国側の承認を得る外交交渉の過程で表面化してきたのは、香港は返還の時点で中国側にどれだげの財政備蓄を残せるのかという財政問題でした。
香港政庁には、土地を民間に払い下げその資金をプールする「土地基金」(ランド・ファンド)と、毎年度予算の黒字を積み立て、一部は外貨預金として外国為替の準固定相場制を維持するためにも使われる「財政備蓄金」の2つの財政プールがあります。
このうち「土地基金」は中英共同宣言によって、返還後の香港のために全額が残されることになっています。
その額は、97年時点で香港側の試算では750億香港ドル程度でした。