財務マン支配の伝統
財務マン支配に不満を持ったオートマンのシーモン・ヌードセン(ウィリアム・ヌードセン元社長の息子)はフォードに走り、周知のようにその直系のジョン・Z・デローリアンもGMを飛び出して自滅しました。
スローンは第14章でも述べたように、GMに分権的事業部制をもたらしたが、その際財務のみはライン・スタッフ制からはずして集権化をむしろ強めました。
それとともに職能別に各事業部にわたる委員会制度を設け、相互の情報伝達を円滑化したわけですが、スローンは各委員会に出席してにらみを利かせていました。
したがってスローン時代から、分権化の半面では集権化の組織的メカニズムが存在していたことも事実でした。
ドナーはこの伝統を受け継いで、名実ともに財務コントロールの組織をGMに確立したのです。
・・・このことは社風である保守主義的ムード子飼い主義や内部指向性をいっそう強めずにはおかないものでした。